『ライフ―いのちをつなぐ物語―』(2011年)〈イギリス映画〉

 ★★★★★★★☆☆☆

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 映画32本目。

 子供の頃、テレビ番組『野生の王国』を楽しみにしていたほどの動物ドキュメンタリー好きな私は、心を躍らせて映画館に足を運んだ。

 製作費35億円で製作期間が6年、こいつは是非映画館で観ねばなるまい。

「ストーリーは以下の通り」

 野生動物の驚くべき生態と弱肉強食の世界に、ダイナミックな映像で迫るドキュメンタリー。

 ★★★★★★★☆☆☆

 確かに、映像はスゴイ。

 ただ、「動物ドキュメンタリーとして飛び抜けて素晴らしかったか?」と問われれば、「そうでもなかった」と答えざるをえない。

 たくさんの種類の動物たちが次々と映し出されるのだが、その時間が短すぎて、何だか動物ドキュメンタリーのダイジェストを観させられているような感じがした。

 ナレーションも、松たか子の声は聞き取りづらかったし、語られる内容も残念ながら魅力に欠ける。

 私の個人的な評価では星七つ。

 今度、他の動物ドキュメンタリー(そんな言葉あるんだろうか?)も観てみたいと思っている。

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『カシム・ザ・ドリーム』(2009年)〈アメリカ映画〉

 ★★★★★★★★☆☆

 カシム・ザ・ドリーム ~チャンピオンになった少年兵~ : 松嶋×町山 未公開映画を観るTV [DVD]

 映画13本目。

 IBFジュニア・ミドル級チャンピオンのカシム・オウマを追ったドキュメンタリー映画『カシム・ザ・ドリーム』を観た。

「ストーリーは以下の通り」

  アフリカのウガンダで生まれたカシム・オウマは、6歳の時に学校でウガンダ国民抵抗軍に誘拐され、強制的に少年兵にされた。8歳で初めて人を殺したカシムは、その後、戦争を生き延びるために幾人もの人間の生命を奪ってきた。

 アマチュアボクシングの選手になったカシムは、反政府軍を脱走してアメリカに亡命した。言葉も解らないカシムだったが、辿り着いたボクシングジムで頭角を現し、やがて世界チャンピオンにまで上り詰めた。

 成功したカシムは、過去の自分と同じ境遇にいる子供たちを救うために、故郷であるウガンダへの一時帰国を決意するのだった……。

 ★★★★★★★★☆☆

 少年兵として戦争を生き延びたカシム・オウマが、驚くほど純粋な笑顔でいる事が不思議でならなかった。世界チャンピオンになっても、少年兵の頃の地獄の記憶からマリファナを止められないでいたが、カシムの笑顔は子供のように無邪気だ。

 それにしても、学校のクラスごと子供たちを誘拐し、戦争の道具に仕立て上げるアフリカの人間は、悪魔以外の何ものでも無い。少年兵を訓練した反乱軍は、子供たちに一番仲の良い者を指ささせ、その友達を殺せと命令した。殺さなければ、お前を殺すと言い渡して……。

 映画の中で語られるカシム・オウマの人生は壮絶だが、この『カシム・ザ・ドリーム』という作品に、私は、ドキュメンタリー映画としての面白さをそれほど感じなかった。

 どうしてなんだろうか?

 観終わってから、ずっと考えているのだが、どうしてなのか自分でも答が見つけられない。

 決定的な原因ではないのかも知れないが、インタビューの踏み込みが浅く、カシム・オウマの苦悩の本質に迫る内容にまで高められていなかった事は、この映画の減点対象の一つとなってしまうだろう。

 もう一つあえて挙げるとするならば、カシム・オウマのファイトスタイルが、それほど鮮烈には感じられなかったというのも、その理由になるのかも知れない。映画に収められているボクシングの映像からは、残念ながらそれほどスリリングさが感じられなかった。

 上記二点は、あくまでも私の個人的な感想である。

 しかし、決してつまらなかったという訳ではない。数々の苦難を乗り越えて、世界チャンピオンになったカシムが、命がけで故郷に戻って父親の墓前で泣き崩れる場面では、私の胸も熱くなった。

 私の評価では星八つ。

 ボクシングとドキュメンタリー映画の好きな方にはお勧めする。

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『いのちの食べ方』(2005年)〈ドイツ・オーストリア映画〉

 ★★★★★★☆☆☆☆

いのちの食べかた [DVD]
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 ドキュメンタリー映画『いのちの食べ方』を観た。

 今日は仕事が休みで、夕食を私が作ることになっていて、メニューはビーフ・シチューである。

 この映画、ナレーションもテロップも何も無いまま、野菜、魚、肉類など食料の生産現場の事実が淡々と映し出されていく。観ていて、それがどういった工程なのか、今ひとつ分からない場面も多く、やはり、テロップか何かで説明を加えて欲しいと感じた。

 当たり前であるが、私たちは生きていくために他の生命を糧としていかなければならない。その糧が、どのように生産されているかを、私たちは是非とも知っておくべきだろう。私たちは、日々、食べ物という形で生命を消費しているのだ。
 私たちは、自分たちが生きていくということの、食べるということの罪深さを知らなければならない。罪深さを知るという事は、食べ物を大切に食すという事である。

 スーパーでパック詰めにされている肉がたどってきた事実の壮絶は、音声が無い淡々とした映像であるが故に、返って圧倒的な迫力で観る者の胸に迫ってくる。大量消費の現代社会を支えるために、大量の牛が次々と吊されて殺されていく様は圧巻である。

 私は肉好き。菜食主義者にはなれそうもない。

 食事前にこの映像は思い出したくないが、肉に加工された牛に深い感謝を捧げながら、私は今からビーフ・シチューを作る。

 食べ物を粗末にしてしまう人には是非ともお勧めである。

 

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『マイク・タイソン THE MOVIE』(2008年)〈アメリカ映画〉

   ★★★★★☆☆☆☆☆

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 マイク・タイソンのボクシングを初めて目にした時の衝撃は、言葉では到底表す事が出来ない。私は画面に釘付けになり、言葉を失い、憧れを抱き、嫉妬した。

 凄まじいスピードと桁違いの破壊力だった。

 マイク・タイソンという人物の醸し出すオーラとふてぶてしい面構えが、若い私の心を鷲掴みにした。小学生の頃にブルース・リーから受けたインパクトと同じ種類の衝撃が、私の全身を貫いたのだった。

 この映画は、マイク・タイソン自身が語るヒストリーである。ファイトの場面は残念ながら少ない。

 正直言って、体力と気力の衰えたマイク・タイソンを見るのは、非常に寂しい気持ちにさせられて悲しかった。

 2005年のラストファイトの後、マイク・タイソンはインタビューでこう言い放つ。

「金のために戦った」

「ボクシングを愛していない」

「もうリングに上がるつもりはない。これ以上、このスポーツを汚したくない」

 正直で自分を飾らない単純な男であるが故に、マイク・タイソンは様々な人間に利用されて生きてきた。私は初めて目にした時からドン・キングが大嫌いだった。しかし、ドン・キングも悪いが、騙されたマイク・タイソンも悪い。それから、女好きにも程というものがある。

 カス・ダマトと過ごした青春を語る時に、声を詰まらせるマイク・タイソンが非常にいとおしい存在に思えた。どうしようもない不良少年だったマイク・タイソンが、殺人を犯さず、殺されもせずに世界チャンピオンになれたのは、カス・ダマトの次の言葉による。

「彼が私の全てだ。彼がいなければ私には生きている意味が無い」

 魂の師匠カス・ダマトは、タイソンが世界の頂点に立つ前にこの世を去った。
  

 

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『アンヴィル! ~夢を諦めきれない男たち~ 』(2009年)〈アメリカ映画〉

 ★★★★★★★★☆☆

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 この映画は、30年に渡って活動を続けるカナダのヘビメタバンド「ANVIL」を追ったドキュメントフィルムである。

 ボーカルのリップスと、ドラムのロブが主人公だ。

 音楽業界の誰もが彼らの実力は一流だと認めていて、全盛期には「ボン・ジョヴィ」と共に来日も果たしている。
 しかし、「ANVIL」の発表したアルバムは、どれもこれもまるで売れなかった。

 そのため、リップスは給食センターで、ロブは建設会社で働きながらバンド活動を続けなければならない。

 あくまでも「ANVIL」での活動を本業と考えるリップスとロブの二人は、ライブがあれば仕事はもちろん休み、アルバム制作にもかなりの金を注ぎ込んでいる。当然、家族にのしかかる経済的な負担は相当なものだ。

 彼らは既に50歳を超えたが、「俺たちはロックスターになる!」と本気で叫び続けている。

 ロブの姉はフィルムの中で、「(ANVILは)もう終わっているのよ」と言い放った。当然である。

 しかし、彼らはそんな事にはいささかも怯まない。

「俺たちはロックスターになる!」
 のである。

 アルバムが売れなかった理由をレコード会社のせいにしたりもするが、彼らの奮闘と努力は観ていて本当にすがすがしい。少年の瞳を持ったリップスの、真っ直ぐな言動には非常に親近感を覚える。

 ロブと喧嘩して目に涙を浮かべ、唇を震わせて怒鳴り声を上げる姿はどこかチャーミングでさえある。

「誰でもトシを取る。腹が出て顔がたるみ、時間がなくなる。だから今やるしかないんだ」

 既に50代に達した彼らの言葉は、捉え方によっては非常にナンセンスに聞こえるかも知れないが、私はこれを「勇者の言葉」だと思った。

 私の評価では星八つ。

 いい映画である。ラストでは思わず男泣きした。日本語の副題は噴飯モノである。

 目標を掲げてあがいている人、孤独な戦いに日夜挑み続けている人、そんな人たちには断固お勧めする。

 

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