『イップマン序章』(2008年)〈香港映画〉

 ★★★★★★★★☆☆

イップ・マン 序章 [DVD]

 映画30本目。

 ブルース・リーの唯一の師匠で、詠春拳の達人、葉問(イップマン)の半生を描いた映画『イップマン序章』を観た。

 少年時代、ブルース・リーは私にとって完全無欠のヒーローだった。
 
そんなブルース・リーの師匠の物語、これは観ずばなるまい。

「ストーリーは以下の通り」

 1930年代、武術の盛んな町、広東省仏山市で、武術家の葉問(イップマン)は幸福に暮らしていた。しかし、1938年10月、仏山は日本軍に占領されてしまった。

 葉問邸は日本軍の司令部として接収され、一家はあばら屋へと引っ越し、その日の食べ物にも事欠く生活を強いられるようになる。妻と子供を養っていくために、葉問は慣れない土方仕事に従事した。

 ある日、現場に日本軍の兵士たちがやって来る。兵士たちは、空手の有段者である日本軍の将校・三浦の命令によって、組手の相手をする中国人を探しているのだった。日本軍は、組手に勝利すれば褒美に米を与えると言う。

 最初は拒絶していたが、仲間を日本軍によって殺された葉問(イップマン)は、自ら日本軍との組手稽古に志願するのだった……。

 ★★★★★★★★☆☆

 ブルース・リーの師匠イップマンを演じたドニー・イェンのクンフーは確かに悪く無いのだが、映画全体を通してアクションを評価すると少し不満を感じた。
 特に良くないのは、日本軍の使う空手である。残念ながら、あれはどう見ても空手になっていない。

 突きや蹴りによって人間が吹き飛んでいく場面が何度か出てくるが、それほどの威力がある攻撃にも見えなかった。
 過剰な演出は、リアリティーを損なうだけだ。
 あれだけ吹き飛ばされたら、多分、人間は死んでしまうんじゃないだろうか。

 娯楽映画かも知れないが、この作品はブルース・リーの師匠の物語である。アクションを、世界最高のものに仕上げなければ話にならない。

 武術指導をサモ・ハンキンポーがしているが、正直、期待はずれであった。
 
イップマンの雰囲気は素晴らしかっただけに余計に残念である。

 私の個人的な評価では星八つ。 

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『スリ』(2008年)〈香港映画〉

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 スリ [DVD]

 映画3本目。

 香港映画、ジョニー・トー監督の『スリ』を観た。レンタル前にアマゾンのレビューをチェックしたら、もの凄い高評価だったので期待したのだが……。

「ストーリーは以下の通り」

 四人組のスリが、金持ちの老人に囲われた謎の美女に利用されて奮闘する話。

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 どうやら私にはジョニー・トー監督の作品は合わないようだ。

 どこがいいのかさっぱり判らなかった。何度も途中で観るのをやめようかと思ったが、本年は「怒らない」という目標を定めているので我慢して最後まで映画に付き合ってしまった。

 私の評価では星ゼロ。

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『インファナル・アフェアⅢ』(2003年)〈香港映画〉

 ★★★★★★★★☆☆

 インファナル・アフェア III 終極無間 [DVD]

 インファナル・アフェアの完結編を観た。

 ⅠとⅡが本当に奇跡の大傑作映画であっただけに、観終わった後、何とも複雑な気持ちが残った。

「ストーリーは以下の通り」
 ヤン(トニー・レオン)の死後、マフィアとしての過去と決別したいラウ(アンディ・ラウ)が、警察内に潜んでいると思われる他のマフィアを一人で内密に探していく。

 ラウの極秘調査の結果、大物密輸商人シェン(チェン・ダオミン)とエリート警察官ヨン(レオン・ライ)の関係が浮かび上がってきたのだった……。

 

 映像は三部作の中で最も洗練されているように感じた。役者も音楽も、全てが素晴らしい。しかし、これは私の個人的な感想であるが、今回は脚本が少し力みすぎの印象を受けた。
 あの大傑作であるパートⅠパートⅡを受けての完結編なのだから、それは仕方が無いことなのかもしれない。

 決してつまらない映画という訳では無い。いや、もの凄く面白い。

 しかし、過去と現在の行き来が多すぎるし、少し内容を盛り込み過ぎていて非常に判りにくくなってしまっている。
 更にダメ押しのようにラウの妄想まで加わってしまうから、観ていて頭の中が混乱してしまった。一度観ただけでは多分、色々なものを見落としていることだろう。

 脚本的には大成功とは言えない気がするが、それでもよくぞここまで練り上げたものだと思う。

 私の評価では星八つ。

  

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『インファナル・アフェアⅡ』(2003年)〈香港映画〉

 ★★★★★★★★★★ ★★★★★★★★★★ ★★★★★★★★★★

 インファナル・アフェア II 無間序曲 [DVD]

 前作『インファナル・アフェア』があまりにも素晴らしかったので、全然期待せずに観た。前作の世界が下手に壊されてしまうと悲しいので、本当は借りるのを止めようかと思ったぐらいだ。が、これがもう正真正銘の大傑作。イントロから画面に釘付けにされ、エンディングクレジットまで一瞬も眼を離せなかった。

「ストーリーは以下の通り」
 1991年、香港が中国に返還される以前、サム(エリック・ツァン)を配下に従える香港マフィアの大ボス、ンガイ・クワンが何者かによって暗殺された。混乱する中、クワンの跡目を継いだのは、次男のハウ(フランシス・ン)だった。
 ハウは造反を目論んでいた4人のボスたちを押さえ込み、香港の黒社会を完全に牛耳っていく。
 ’92年、サムは子分のラウ(エディソン・チャン)を始め数人の男達を警察組織に潜入させ、逆に、組織犯罪課のウォン警部(アンソニー・ウォン)は、クワンの私生児であることが発覚して警察学校を退学処分になったヤン(ショーン・ユー)をマフィアへと潜入させるのだった……。

 ★★★★★★★★★★ ★★★★★★★★★★ ★★★★★★★★★★

 脚本が本当に素晴らしい。正直私は、何度も裏切られた。

 やられました。

 この映画に登場するいくつものプロットのうちの一つだけでも、作ろうと思えばそれなりの映画が出来上がってしまうだろう。

 前作で最高の演技を見せたトニー・レオンとアンディ・ラウは出演していないのだが、それが全くと言っていいほどマイナスに作用していない。いや、それどころか若い二人もなかなかにやる。そして、相変わらずサム役のエリック・ツァンは最高である。
 ファンクラブに入りたいくらいだ。

 どの役者も本当にいい。タイ人のマフィアにもリアリティーがある。もちろん、私はタイ人のマフィアに知り合いはいないが……。

 痺れた。

 私の下手くそな感想など、この作品にはいらない。
 奇跡の最高傑作、ブラベストである。
 パートⅢはどうなんだろうか?

 

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『インファナル・アフェア』(2002年)〈香港映画〉

 ★★★★★★★★★★ ★★★★★★★★★★ ★★★★★★★★★★

 インファナル・アフェア [DVD]

 しびれた。

 八年前の映画だが、全く古さは感じなかった。

 エリック・ツァン演じるマフィアのボス、サムが最高にいい味を出している。是非ともサムを主人公にして映画を作って欲しい。

「ストーリーは以下の通り」

 警察学校でその能力を認められたヤン(トニー・レオン)は、潜入捜査官として極秘裏にマフィアに送り込まれた。同じ頃、マフィアからもラウ(アンディ・ラウ)を始めとして、数人の人間が警察組織の中に入り込んだ。

 マフィアのボスに近づくために信念を曲げて法を犯すヤンの懊悩、裏社会の人間として警察組織を裏切りながらも出世していくラウの抱えたジレンマを描きながら、物語は、無間地獄さながらの娑婆世界を生き抜く、男達の命を懸けた闘いに突き進んでいく。

 ★★★★★★★★★★ ★★★★★★★★★★ ★★★★★★★★★★

 警察学校で同期だった二人は、十数年後、オーディオショップで邂逅を果たしたが、本人達は互いにそれが運命の相手であることには気が付かない。

 これは後の伏線になっているのだが、そんな事とは関係無しに、並んでソファーに腰掛け、スピーカーから流れてくる音楽に耳を傾ける二人の姿が、どこか荘厳で美しくさえある。
 本来であれば二人は、互いに理解し合える唯一無二の存在だったのだ。一人は正義のために闇の世界を、一人は正義を裏切りながら表の世界を生きている。二人の共通点は周囲の人間を欺くために、神経をギリギリまで研ぎ澄ませていることだ。

 薄暗いオーディオショップでスピーカーの音楽に耳を澄ます二人は、その瞬間だけは完全に自分たちの置かれた状況のことを忘れて、つかの間の安穏をシェアしたのだった。

 トニー・レオンとアンディ・ラウには脱帽する。
 
演ずるという範囲を遙かに凌駕し、二人は、役を完璧に自身に憑依させている。

 ヤンは正義のために、裏世界に身を落とし闇を生きる男。
 ラウは正義を裏切りながら、日の当たる場所で生きる男。
 この配役を決定できた瞬間、監督のアラン・マックは、奇跡の映画を撮る権利を得たのだ。

 この作品はパーフェクトである。

 まさに奇跡の大傑作映画と断ずる。

 本作品は、2006年にハリウッドで、『ディパーテッド』という作品名でリメイクされている。

 ハリウッドがどのように挑戦したのか観なければなるまい。

 

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