ハーバード白熱教室 ②

「犠牲になる命を選べるか」

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 だいぶ時間が経ってしまったが、ハードディスクに録画しておいたNHK教育テレビの再放送『ハーバード白熱教室』を、今後時間をかけて取りあげていきたい。
 以前、放送された時に当ブログで取り組んでいこうとしたのであるが、一度放送を見逃してしまったために途中で投げ出してしまっていた。

 今回は、放送すべてを録画しておいたので、多分、途中で投げ出すような事にはならないと思う。
 時間はかかるだろうが……。

 今日は第一回目の放送の半分、レクチャー1.「犠牲になる命を選べるか」を観た。

 今回の講義の中で、マイケル・サンデルは、四つのクエスチョンで私たちを哲学の入り口へと導いた。

質問1.
 あなたは列車の運転手。列車の進行方向に、五人の作業員が線路上で仕事をしているのを発見した。列車は止められない。このまま行けば五人の命は助からない。
 その時、あなたは列車の進行方向を切り替えられるスイッチに気づく。あなたがスイッチを押せば、列車の進行方向は変わる。
 しかし、切り替えた進行方向には、一人の作業員が同じように線路上で仕事をしているのだった。
 あなたはスイッチを押すか?

質問2.
 陸橋の上から、あなたは猛スピードで進む列車を見ている。列車の進行方向には、線路上で五人の作業員が仕事をしていた。このまま行けば五人の命は助からない。
 その時、あなたは陸橋から身を乗り出して列車を見ている人物に気づいた。あなたがその人物を突き落とせば、列車は止まって五人の生命を助ける事ができる。
 あなたは陸橋から人を突き落とすか?

質問3.
 あなたは腕の良い救急救命医。今、6人に急患が運び込まれて来た。一人は特に重傷で救命処置には長い時間が必要となる。また、他の五人も今すぐ処置をしなければ助からない。
 重傷な一人を助けようとすれば他の五人は助けられない。五人の処置を優先させれば、五人は助けられるが一人を見殺しにしなければならない。
 あなたは誰の救命処置に入るか?

質問4.
 あなたは移植手術のエキスパート。ここに臓器提供を待っている五人の患者がいる。それぞれの患者は、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、を早急に移植しなければ助からない。そこに、健康診断を受けに健康そうな男性が現れ、ベッドで一人眠り始めた。
 あなたは五人の生命を助けるために、一人の無関係な男性を殺害するか?

 どの質問も、ハーバードの受講生達の答は大多数とごく少数とに別れた。こんなに答えやすい問題(私はそう感じた)にでも、私とは反対の意見を持ったごく少数派が存在する事が面白い。
 中には奇をてらって無理にごく少数派の回答を述べている人物もいるかも知れないが、本気でそういう判断基準を持っているような人も確かにいる。
 それはきっと、どちらが正しいだとか、どちらかが間違っているという訳ではない。

 サンデルは言う。

「哲学とは、既に知っている事に直面させて動揺させる学問である」

「直面させるとは、新しいものの見方を喚起させるという事だ」(趣意)

 更にサンデルは、今回の一連の講義の目的を、自己認識におけるエクササイズ・自分をより深く理解するための訓練、だと述べた。

 思えば私は、どちらかというと自己中心的なものの見方をするタイプだった。自分が結構自己中だと気がついたのは、30歳を超えた頃だったと思う。多分、今も自己中だ。

 こんな私のような人間こそ、哲学を学ばなければならないのかも知れない。

 学び始める前に、サンデルが紹介してくれたカリクレスの言葉を以下に引用しておく事にする。

カリクレス
 人生のしかるべき時期に節度を持って学ぶなら、哲学はかわいいオモチャだ。
 しかし、節度を超えて哲学を追求するなら破滅する。

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ハーバード白熱教室 ①

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 毎週日曜日の午後6時から7時に、NHK教育テレビで放送している『ハーバード白熱教室』が面白い。

 アメリカの建国よりも古い歴史を持つハーバード大学の講義が、メディアに公開されるのは初めてのことだそうだ。

 番組で紹介されているのはマイケル・サンデル教授の講義で、テーマは「JUSTICE]、正義とは何か、公正であるとはどういうことかについてである。

 第一回目の講義内容を、番組ホームページより一部抜粋の上引用する。

殺人に正義はあるか

1.多くの人に危害をもたらすことを避ける唯一の方法が、少数の人を傷つけることである場合がある。多数の人に危害をもたらすことを避けるために、少数の人を傷つけることは許容されるか?

2.あなたは狭いトンネルを運転していて、作業員が道路の目の前に落ちてきたとする。車を止める時間はない。直進すれば、作業員に衝突して殺すことになるが、急ハンドルを切り対向車線に突っ込めば、スクールバスに衝突し、少なくとも5人の子供を殺すことになる。何が正しい行いなのか?功利主義には正しい答えがあるのだろうか?

3.一万人の無実の民間人が、戦時中の国で軍需品工場の隣に住んでいる。その工場を爆撃すれば、彼らは全員死ぬ。爆撃しなければ、工場は他の国の五万人の無実の民間人に投下される爆弾を生産することになる。何が正しい行いなのか?

4.ある男がニューヨーク市に爆弾を仕掛けたとする。そして、警察が二十四時間以内にその爆弾を発見できなければ爆発する。警察が疑わしい爆弾犯人から情報を引き出すために、拷問することは合法だろうか?

5.爆弾を仕掛けたある男は、彼の無実の家族を拷問にかけなければ、爆弾の場所を明かさないとする。それが巨大爆弾のありかを発見する本当に唯一の方法だとしたら、警察が無実の人々を拷問することは合法だろうか?

 自分がハーバード大学の学生になって講義に参加しているようなつもりで、ノートと鉛筆を手に番組を真剣に観ている。

 大変面白い。

 私は高卒なので判らないが、大学っていう場所は本当に楽しそうだ。

 私の将来の野望の一つは、以前、当ブログにも書いたが、経済的な問題をクリアーした後、学ぶために大学に通うことである。

 将来、通うのが本当に楽しみである。(ハーバードは無理だと思うが……)

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