大晦日(2010)

 本日は大晦日。

 あっという間も無い感じの一年だった。

 年齢が進むに従って時の流れは加速度を増していく。
 
このままでは、あっと言い終えた時には10年が過ぎ去っていた、何てことになりそうな気がする。

 いかん、いかん。

 焦らずに行こう。

 犀の角のようにただ独り歩もう。

 ブログを読んで下さった皆さん、本当にありがとうございました。

 来年も、お互いにいい年にしましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

告白

 ★★★★★★★☆☆☆

 告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

 ヒカリヤさんお勧めの作品、第6回本屋大賞受賞作のベストセラー、『告白』を読んだ。

 本作品は映画化され、6月5日より公開される。

「以下引用」

 それよりもみんな、犯人が気になって仕方ないといった様子ですね。この中に犯罪者がいるという恐怖心よりも、きっと好奇心の方が勝っているのでしょう。中には予想できている人もいるようですし、知っているような顔をしている人もいますね。私としてはこんな話をしているのに平然とした顔でここに座っている犯人にびっくりです。びっくり?

 いえ、そうでもありませんね。犯人の一人は自分の名前が公にされることを望んでいたのですから。反対にもう一人は先程から顔色があまりよくありませんね。約束が違うと内心気が気でない様子です。安心してください。私は二人の名前をこの場で公表するつもりはありません。

【『告白』 湊かなえ〈みなと・かなえ〉(2010年、双葉文庫)】

 ミステリーである。

 悲しい物語である。

 暗いのである。

 登場人物はみんな歪んでいる。

 確かに面白いのだが、私はどうも好きになれない。

 面白さを追求したい、ミステリー好きな人にはお勧め。

 私の評価では星七つ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ビューティ・キラー 1 獲物

 ★★★★★★☆☆☆☆

 ビューティ・キラー1 獲物 (ヴィレッジブックス F ケ 3-1)

 海外のミステリー小説を久しぶりに読んだ。作者のチェルシー・ケインはアメリカ人女性である。

 今までに私はミステリー小説をあまり読んでおらず、多分、海外ミステリーだけに関して言えばこの作品で四作目ぐらいだと思う。

 話の筋はそれほど面白いと感じなかったが、丁寧な描写の文章が読んでいて心地よかった。グレッチェン・ローウェルという連続殺人鬼もリアルに感じられる。

 主人公、アーチー・シェリダンという人物の壊れ方にも説得力がある。

 ほんの四作品程度しか読んでいないのにも関わらず大口を叩かせて貰えば、海外のものの方が日本のミステリー作品より、小説としての完成度は高いのではないだろうか。

 その意見の根拠として一つだけ例を上げるとすれば、海外作品の方が日本のミステリー作品よりも描写に対する注意力が細部にまで行き届いているのだ。その分、文字数が大幅に増えてしまうが、私は「神は細部に宿る」という言葉は一つの真理であると思っている。

 今後、その意見は覆るかも知れないが、現時点での私の正直な印象である。

「以下引用」

 その最初の晩、グレッチェンが眠らせてくれないので、アーチーはすでに時間の経過がわからなくなっている。なにかの覚醒剤を打たれたあと、何時間も放置されている。鼓動が激しく、真っ白な天井を見ながら首の脈と両手の震えを感じること以外、なにひとつできない。胸の血はもう乾いていて、いまはむずむずする。息を吸うたびに激痛が走るが、それより耐えがたいのはむずがゆさだ。しばらくのあいだ、時間の経過をはかるために数を数えてみるが、意識がよそへ流れて数がわからなくなる。すぐそばの床にころがる死体のにおいからすると、ここに来て二十四時間はたっている。でも、それ以外のことはわからない。だから、アーチーは見つめる。そしてまばたきをする。そして息をする。そして待つ。

【『ビューティー・キラー 1 獲物』 チェルシー・ケイン〈高橋恭美子訳〉(2008年、ヴィレッジブックス)】

 連続殺人犯グレッチェン・ローウェルのキャラクターには魅力を感じさせられた。

 物語に登場する連続殺人鬼と言って最初に私が思い描くのは、映画、『羊たちの沈黙』に登場した、アンソニー・ホプキンス演じるハンニバル・レクターである。

 物語の中核になる人物であるだけに、両者ともに人を惹きつけるカリスマ性を十分に備え付けられている。

 これをはき違えてはならない。

 小説を読んだり、映画を観た人の一部は、本当は人物のキャラ設定に惹きつけられている筈なのに、その行いをするが故の魅力なのだと勘違いを起こしてしまう危険性があるのではなかろうか。

 少し前、英国人英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害で逮捕された市橋容疑者を応援するファンクラブが一部ネット上で結成された、という非常に腹立たしいニュースがあったが、そんな事象には、物語に登場する魅力的な要素を持った悪役の影響が少なからずあるのではないだろうか。

 良きにつけ悪しきにつけ、物語には力がある。

 そして、物語の受け手には、残念ながらモラルの欠片もないような人物も含まれているのだ。 だからといって、私は、この手のフィクション作品を非難するようなつもりは毛頭無い。

 声高に非難されるべきなのは、実際に殺害された被害者がいるにも関わらずファンクラブなどというものを結成した、モラルの欠如した人物の浅はかな行動である。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ブレイクスルー・トライアル

 ブレイクスルー・トライアル (宝島社文庫)

 260ページまで読んで、挫折することにした。

 どうしても物語の中に入り込んで行けなかった。

 本作は、第五回『このミス』大賞受賞作だった。

 また、いつか読み進めて読了するかも知れないが、とりあえずこの作品からは一旦手を引くことにする。

 もし既読の方がおられたら、気が向いたらで構わないので、コメントによるアドバイスをお待ちしております。

【『ブレイクスルー・トライアル』〈2009年〉(宝島社文庫)】

| | コメント (0) | トラックバック (0)

パーフェクト・プラン

 ★★★★★★☆☆☆☆

 第二回「このミス」大賞受賞作。

 帯に、「5億円強奪計画は謎のハッカーにより予想外の展開へ! 一気読み確実の傑作誘拐ミステリー」と書かれている。

 展開は確かに予想外。色々なアイデアがあちこちにちりばめられている。コンピューターに関する部分の記述、アイデアは確かに凄いと思う。それなりに読み応えもあるのだが、しかし、小説としては少し薄いように感じた。

 登場人物の魅力が描き切れていない印象を私は受けた。キャラクターの設定自体はいいのだが、その設定を充分に活かしきれていないとでも言えばいいのだろうか。

 私の評価では星六つ。

【『パーフェクト・プラン(上・下)』 柳原 慧〈やなぎはら・けい〉(2010年、宝島文庫)】

| | コメント (0) | トラックバック (0)

禁断のパンダ

 ★★★★★★★☆☆☆

 第4回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作、「チームバチスタの栄光」が非常に面白かったので、第6回「このミス」大賞受賞作「禁断のパンダ」を読んだ。

 思い返してみれば、私は今までにあまりミステリー小説は読んでこなかった。だからなのかも知れないが、作者にあっさりと騙されてしまった。それが結構気持ちがいいもので、今後、少し癖になりそうな気がする。

 本書は、料理に関する専門的な記述もあって、グルメな私(大嘘)は、大変興味深く読むことができた。

「以下引用」
 ワインをひと口飲んだ瞬間、幸太は目を見開いた。サービスマンがテーブルにクリスタルのワイングラスを置き、ボトルから中身を移してあったデカンタで白ワインを注いでいったときから、その澄み切った蜂蜜のような色と、微かに鼻腔をくすぐる甘い香りが気になっていたのだが、そのときは、まさか、という思いのほうが完全に勝っていてわからなかった。

 すぐにもう一度ワインを口に含み、今度はじっくりと舌の上で転がした。とろりとした舌触りと甘く高貴な味わいが広がった。間違いない、と幸太は確信した。一年前、結婚祝いとして知人から贈呈されて以来、忘れられない味がそこにはあった。

「この香りはディケムやな」

 幸太の驚く様子を眺めていた中島翁が、ぼそりと呟いた。

 シャトー・ディケム。糖度の高い甘口ワインである。貴腐ワイン、の中でも世界最高峰の品質として知られ、純金のワイン、とも呼ばれているそのフランス産白ワインは、味もさることながら値段も非常に高価なものだった。以前、幸太が訪れたことのあるレストランのワインリストには、最良の年とは言い難いヴィンテージのフルボトルで、一本八万円もの値段が付いていた。世界の食通たちの間では、フォアグラとよく合うワインとしても知られている。

 その高価なシャトー・ディケムが、まさか披露宴用のグラスワインとして出てくるとは思いもしなかった。そのことにも驚いたが、漂ってくる香りだけを嗅ぎ取って銘柄を言い当てた中島翁には、もっと驚いた。にわかには信じ難いことだった。

「わかるんですか」思わず、幸太は言葉を発していた。

「わかりますとも」中島翁は、事もなげに言った。「この、桜桃や杏、カラメルを思わせる甘く豊かな香りはディケムしかない。更に言いますと、そのディケムからは若さを感じますな。しかし、幼い若さではなく、成熟した若さです。おそらくは十年程前の偉大なヴィンテージ……一九九七年のものでしょう」

「まさか……」幸太は絶句した。それが本当だとしたら、卓越した知識もさることながら、この老人は驚異的な鼻を持っていることになる。
 幸太の思いを察したのか、中島翁は相好を崩した。

「信じられない、といった顔つきですな。よろしい、証明してみせましょう」

 そう言うと、中島翁は手を挙げてサービスマンの一人をテーブルに呼んだ。

「こちらの青年に出したワインの銘柄と、それが何年のものなのかを教えてくれ」

「かしこまりました」サービスマンはうやうやしく答えた。「料理に合う白ワインをという御要望でしたので、オードブルに合わせたものを御用意致しました。シャトー・ディケムの一九九七年ものでございます」

【『禁断のパンダ』 拓未司〈たくみ・つかさ〉(2009年、宝島社文庫)】

 私は酒の味は全然わからない。ワインなんてサントリーの一番安い物しか飲まない。それも、美味しいなんて一度も思った事はない。酒は味わうためではなくて、酔うためか眠るために飲むだけだ。

 酒の話はさておき、ミステリー小説を読むっていう娯楽は、結構な常習性を持っている物なのかも知れない。

 星七つ。

 ミステリーと、料理が好きな人にはお勧めの一書である。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

映画レビュー インデックス(随時更新) 書籍レビューインデックス ルワンダ大虐殺 夜と霧 ニーチェの言葉 鬼平犯科帳 13日間で「名文」を書けるようになる方法 それでも人生にイエスと言う アクション映画 アニメ映画 アラフォーのオッサン看護師がドラッガーの『マネジメント』を読んだら イギリス映画 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち 奇跡の教室 グルメ・クッキング ゲーテ コミック コメディ映画 ゴリマッチョに至るまでの経過 サスペンス映画 サントリーミュージアム スポーツ スリラー タイ映画 ドキュメンタリー映画 ニュース ノンジャンル・ゲロゲロ日記 ハーバードの人生を変える授業 ハーバード白熱教室 フランス映画 ロシア映画 仕事の事 伝言 傑作映画 傑作本 傑作漫画 動画 心と体 心に響く言葉 怒りについて 恋愛映画 挫折映画 挫折本 携帯・デジカメ 文化・芸術 日本映画 日記・コラム・つぶやき 映画 書籍 エッセイ 書籍 ノンフィクション 書籍 フィクション 書籍 ミステリー 書籍 対談集 書籍 小説 書籍 教育 書籍 新書 書籍 映画原作 書籍 箴言集 書籍 SF 書籍・雑誌 東日本大震災 殴り書き 海外ドラマ 漫才 漫画 空手 筋力トレーニングの記録 経済・政治・国際 芸能・アイドル 覚え書き 言語表現法講義 論語 革命 韓国映画 音楽 香港映画 SF映画