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20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学 集中講義

 ★★★★★★☆☆☆☆

  20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

 スタンフォード大学、名前は聞いたことがある。こんな私でも名前を知っているくらいだから、多分、有名な大学だ。

 私は遙か17年前に20歳だった男だが、めげずに本書を手に取り、読んでみることにした。

「以下引用」

 人助けも大切な習慣です。大学時代、わたしは週に一度、両親に電話していました。毎回、電話を切る前に母は、「何かしてあげられることはないの?」と聞いてきました。母のこの気遣いがうれしかったものです。母にしてもらえることはほとんどないのですが、必要があればいつでも手を貸してくれるとわかっているだけで安心しました。歳を重ねるにしたがい、こうした気遣いは、友人や家族、同僚に対してもできるのだと気づきました。力になろうと申し出ると、喜んでくれる人がほとんどです。たいていはささやかなことで、相手が望むのもふつうは控えめなものです。稀に、自分に応えられない、あるいは応えたくないことを求められる場合があるでしょう。それを断っても、力になろうと言ってくれたこととに感謝し、助けてもらえないという事実を受け入れてくれるはずです。

 こうした気遣いを日々、実践しているのなら、時々は試してみるようお勧めします。ただし、実際に力になって欲しいと言われたら、真摯に応えなくてはいけません。ガイ・カワサキが言うように、「つねに高潔であろうとするべきです」。ガイはさらにこう続けます。「高潔な人は、お返しができるとはかぎらない人を助ける。当然ながら、自分の力になってくれそうな人に親切にするのは簡単だ。だが高潔とは、絶対に自分の力になれないとわかっている相手の力になることだ。カルマと呼んでも構わないが、心の広く他人の力になる人は、相手もまたお返ししたいと思うものだ」

 とはいえ、どうやって人助けをすればいいのかわからないと、途方にくれた経験がわたしにもあります。大学一年のとき、おなじクラスに体に障害のある学生がいました。歩くときは松葉杖が必要でした。ある日彼が、教室に向かう斜面で滑って転んでしまいました。起き上がろうとしているのですが、わたしにはどうすればいいのかわかりません。助け起こしもしないで通り過ぎるのは、気持ちのいいものではありません。でも、怖かったのです。わたしが近づいて、彼の障害に人目が集まるようなことをすると、かえって不愉快な思いをさせるのではないかと。クラスメートの母親が、長い闘病生活の末に亡くなったときにも、おなじように感じました。何と声をかけていいのかわからず、気に障るようなことを言ってしまうのではないかと恐れて、結局、何も言わないことを選びました。何年か後のことです。わたしはスタンフォードの学内を走っていました。前の日に雨でぬかるんでいた地面に足をとられ、派手に転んでしまいました。擦り傷が痛むし、泥だらけで、その場にしゃがみこんでしまいました。涙が後から後から出てきます。そのとき、少なくとも10人以上は通りかかったと思いますが、「どうしましたか?」と声をかけてくれた人はひとりもいませんでした。まさにこのとき、教室の前で転んだクラスメートや、母親を亡くしたクラスメートに、何と声をかけるべきだったかわかったのです。わたしはただ、「大丈夫ですか? 何かできることはありますか?」と言って欲しかっただけなのです。いまなら、こんなにシンプルな言葉でいいのだとわかります。それがわかるのに、こんなに時間がかかったなんて、我ながらあきれます。

【『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学 集中講義』 ティナ・シーリング〈高遠祐子 訳〉(2010年、阪急コミュニケーションズ)】

 昔、人助けをしようとして詐欺(?)にあったことがある。

 その顛末を書こうと思ったが、それではこの本の内容とかけ離れてしまうため、やめておくことにした。

 スタンフォード大学は、調べたところによると100年以上の歴史を持つアメリカの私立大学らしい。そこで講義をするような人物が、転んだくらいでしゃがみこんで泣いてしまうなんて、私からすると非常に不思議である。

 また、これは私のアメリカ人(欧米人)に対する偏見かも知れないが、転んでいたのに誰も声をかけないなんて意外だった。案外と冷たいのね。

 それにしても『20歳のときに知っておきたかったこと』という題名はいささかオーバーである。『スタンフォード大学集中講義』という副題も、読み終わった今となっては何だか虚仮威しに感じてしまう。

 前半部はなかなか読ませるのだが、正直、私はタイムマシーンが使えたとしても本書を20歳の自分に送って読ませようとは思わない。

 私の評価では星六つ。

 

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