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物乞う仏陀

 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 アジアの国々(カンボジア、タイ、ベトナムなど)の路上で物乞う人々を対象に取材を行って書かれたノン・フィクション「物乞う仏陀」を読んだ。

 何か上手く説明の出来ない、違和感のようなものを私は感じた。それが何かをずっと考え続けているが、未だに答えは見つからない。

 不発弾に囲まて暮らす村人、身体に障害を持った物乞い、ハンセン病患者の村など、悲惨な生活を余儀なくされている人々の身の上や、人身・臓器売買の信じがたい事実が、次々とこの本には書かれている。

 8章に分けられたテーマの一つ一つが大きすぎて、それぞれで一冊ずつ本を書けるであろう内容。そのため、ちょっと踏み込みが浅く、消化不良に感じてしまう。私の感じた違和感の理由が、そのあたりにあるのかも知れない。判らない。

 うーん。

 正直に思っていることを書く。

 どうやら私は、何か、この著者を信用できていないようだ。文章を読んだだけなので、実際に会って話をすれば、もしかしたら違ってくるのかも知れないが。

 取材のために麻薬を吸う?

 駄目でしょ。ただの言い訳にしか思えません。 

 身体に障害を持った女性とベッドを共にしようとしたことの顛末も書かれていたが、ちょっと意味と意図が判らない。

 本気でアジアの貧しい人々のことを考えているのであれば、次から次へと取材して回るのではなく、もっと違うアプローチをするべきだと私は思う。

 【『物乞う仏陀』石井光太〈いしい・こうた〉(2008年、文春文庫)】

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