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夜と霧 1

 第二次世界大戦中、ナチスによって強制収容所に送られたユダヤ人医師、ヴィクトール・E・フランクルの著書、「夜と霧」を読んだ。

 自身の人間性の向上のために、今後、数回に分けて思索していきたい。 

 ナチスのホロコーストによって殺害されたユダヤ人の数は、一般的に600万人とされている。

 ユダヤ人というだけの理由で、家族と引き離された上に自由を奪われ、過酷な気象条件のもとでろくな食事も与えられないまま重労働を課せられ、適性から外れたと判断されればガス室に送られて殺された。

 ユダヤ人という理由だけで。

 その数600万人

 600万通りの地獄がこの世界に作り出されたということだ。ホロコーストを生き延びた人間、行った側の人間が背負う地獄も合わせれば、一体どれだけの地獄がこの地球上に生み出されたのだろう。
 行った側の人間が背負う地獄。私は因果応報という言葉を信じている。ガス室に人間を放り込んだ人間の末路には、訳もなく殺害された人々以上の苦しみが必ず待ち受けている。

 それにしても人間の残虐には限りというものが無い。人間にもともと備わっている残虐性に、狂った思想が合わさった時、負のエネルギーは想像を絶する大爆発を起こす。この地球上のすべてを破壊し尽くす「負」のエネルギーが、人間という生物の残虐の中には潜んでいる。
 世界中に溢れている核兵器の総量は、地球上に存在するすべての生物を何度も絶滅させるほどの威力を備えている。

 どうか私の文章を読んで絶望しないで欲しい。

 本書に綴られているのは、ホロコーストを目的として作られた「強制収容所」という本物の地獄の底にあっても、それでも人間は希望の光を輝かせることが出来るのだ、という紛れもない事実の証明である。

 ヴィクトール・E・フランクルが著した「夜と霧」は、人類にとっての「希望の教科書」とでも言うべき書物である。
 
【『夜と霧 (新版)』 ヴィクトール・E・フランクル〈池田香代子訳〉(2002年、みすず書房)】

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